2012/10/30

シラード・マツシックさん、ドキュメンタリー映画「Moleman2 - Demoscene」監督にインタビュー


この前の投稿でご紹介させていただいた、デモシーンのドキュメンタリー映画、「Moleman 2 - Demoscene - The Art of the Algorithms(デモシーン: アート・オブ・アルゴリズム)」の監督、シラード・マツシック(Szilárd Matusikさんにメールインタビューをさせていただきました。

サブカルとして認知されているかも危うい「デモシーン」をなぜ映画のテーマに選んだのか、なぜあのデモを選んだのか、ハンガリーのおすすめスポットはどこなのか…(笑)
どうぞお楽しみください!

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デモシーンとはどんな関係だったんですか?デモシーンとの出会いを教えてください。

デモシーンと深いかかわりがあったわけじゃないんだ。グループに入ってたわけでもないし、デモを作ったこともないしね。初めてデモを見たのは、1213歳の頃だったかな。CDが付いてたコンピュータ雑誌があって、その中にデモがいくつか入ってたんだ。それが何なのかは分からなかったけど、「スゴいもんが入ってるぞ!」って思ってた。(笑)

高校時代は3Dグラフィックに興味があって趣味でやってたんだけど、田舎に住んでたから周りに同じ趣味を持ってる奴がいなかった。それで、3Dグラフィック関連のメーリングリストに載ってた人と知り合いになったんだけど、その人達がデモシーナーだったんだ。それがデモシーンとの出会い。あの時は、当時世界で最大規模だったドイツのデモパーティー(Mekka Symposium)に参加したし、ハンガリのデモパーティーFlagにも行った。この2つのパーティー用に3Dグラフィックを作ったけど、デモシーンでリリースしたのはそれだけだね。

そのあとは田舎からブダペストに出て、ブダペスト工科大学に通ってたんだ。物理的にはデモシーンに近いところに行ったのに、その頃は他のことに興味があって制作時間は減ってた。変だよね。デモシーンをチェックすることもほとんどなかったんだ。

この映画を作ろうと思ったきっかけは何だったんでしょう?「デモシーン」をテーマに選んだ理由を聞かせてください。

まず2008年頃に、友達のガボール・シーパイ(Gábor Csépai、「Moleman 2」のレポーター)と「Moleman 1」の制作を始めたんだ。これはストリートアートとか、アンダーグラウンドな音楽とか、ストリートの極限スポーツみたいなブダペストのサブカルチャーを扱ったものなんだけど、こういうのをシリーズのテレビ番組にできないかなってガボールが提案してきたんだよ。彼は、こういうカルチャーの中にいる友達がたくさんいるからね。でも、テレビ番組にするにはスポンサーが足りなくて、だったら趣味でドキュメンタリーを作ろうかと思いついたんだ。それで「Moleman 1」を作り始めた。

ポストプロダクションも終わりにさしかかった頃に、「現代のサブカルチャーでドキュメンタリーを作るなら、次はデモシーンが良いテーマかもしれない」って考えが浮かんだんだ。ガボールはデモシーンのことを何も知らなかったから、デモをいくつか見せて、、それで「Moleman 2」の制作が決定さ。(笑) ガボールは撮影を進めながらデモシーンについて学んでいたよ。

なにしろ本当の“サブ・サブカルチャー”だから、すごく良いトピックだと思ったんだ。デモシーンは存在すら知られてないし、デモシーンを題材にした映画なんてなかったしね。刺激的な内容がつまってると思った。

photo: molemanfilm.com
制作期間はどのくらいでしたか?いろんなパーティーへ取材に行ったりしたのでしょうか?

制作には2年かかったよ。でもずっと制作してたわけじゃなくて、空いた時間に作ってたんだ。仕事が忙しくて何もできない月もあったから、実質の制作期間は1カ月半から2カ月かな。撮影に行ったパーティーは、ブダペストのFunction、田舎でやってるArok Party、それとフランスのMain3つだね。そこで映画に登場する人達に話を聞いたんだ。映画の中には、他のパーティーの映像も出てくるけど、あれは他のデモシーナーが撮影したアーカイブ動画なんだよ。

デモシーナーの印象を教えてください。取材には協力的に応じてくれましたか?

インタビューは本当に楽しかったよ。みんなすごくクールで、デモシーンのことを語るのが大好きな人達なんだ。デモシーンには素晴らしいコミュニティがあってね。デモを見るだけじゃなくて、このコミュニティに顔を出して人に会うことが、この映画の撮影でいちばん重要なタスクだったんだ。

オープニングではデモの歴史ともいえる一連の作品が紹介されますね。映画の中でもデモがたくさん登場します。編集作業は楽しかったですか?それとも選択肢が多すぎて大変でしたか?どんなプロセスで制作したのか教えてください。

Murphy(映画にも登場)が、デモシーンの始まりから最近までの“最重要デモリスト”を作ってくれたんだ。だから、まずはこの長いリストに載ってるデモを探すことから始めたよ。あれは本当に助かった。あとは、pouet.netのトップリストもチェックしたりね。

デモやイントロを選ぶのは、すごく楽しかったよ。最終的に映画には150個くらいデモが入ってるけど、ここまで絞り込むのも簡単じゃなかったんだ。

難しい質問かもしれませんが、あなたのお気に入りのデモを教えていただけますか。

「これだ」っていう1つはないけど、いろいろ好きなものはあるんだ。ASDのデモは大好きだよ。本当に見応えがあって、楽しませてくれるデモを作ってると思う。それからConspiracyのデモも好きだし、、Farbraushも好きだし、、、キリがない(笑) 素晴らしいデモを作ってるグループは本当にたくさんいるんだよ。1つだけ選ぶのは難しい。

分かりました。では、“最も思い出深いデモ”ではどうでしょう。

最初に見たデモで覚えてるのは、「レイマーデモ」かな。ハンガリーの(デモパーティーにある)カテゴリーで、シンプルだけど面白いワイルドデモのことなんだ。簡単なマンガのアニメーションと面白い会話がついてたりするんだけど、「X-ファイル」のモルダー&スカリーをテーマにしたデモを覚えてるよ。でも当時いちばん凄かったのは64Kのイントロだね。すごく好きだった。3Dのグラフィックカードが出る前の時代なのに、クールなエフェクトがいろいろ使われてたんだ。

この映画を通して伝えたいメッセージはありますか。

デモシーンのことを知ってもらいたい。シーンには才能のある人達がたくさんいるし、優れた作品もたくさんある。それに、本当に素晴らしいコミュニティがあるんだ。それを知ってもらいたい。それから、この映画を見て自分も何か作ってみようって思ってくれたらいいな。

ドキュメンタリーでは、デモシーンの他にハンガリーの文化も少し紹介していますね。この作品を見てハンガリーに行ってみようと思った人のために、「ここだけは見ておけ」というハンガリーのおすすめの場所があれば教えてください。

ハンガリーは見所が多いよ。人にもよるし、何を見たいかにもよるんだけど、映画に関連したところで言えば、「Szimpla Kert」かな。有名な場所で、ブダペストの廃墟パブって言われてるんだ。映画ではZioaMurphyGargajが話してるシーンに出てくるよ。壁にコンピュータのモニターがかかってるところ。外国人のお客も多いし、クールな店なんだ。でもブダペストに行くなら、もちろん街の景色やハンガリー料理も楽しまないとダメだよ。


Szimpla Kert  Photo: Flickr by currystrumpet


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Murphyの「最重要デモリスト」っていうのは気になりますねえ。笑

初めて連絡したときから、ずっと丁寧に対応してくださったシラードさんでした。ありがとうございました!

シラードさん監督のドキュメンタリー映画「Moleman 2 - Demoscene - The Art of the Algorithms(デモシーン: アート・オブ・アルゴリズム)」については、こちらからどうぞ。

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